ベルリンは東西ドイツが統一されて、ドイツの首都となりましたが、今でも刻々と変動を続ける、過去と未来が共存している、魅力的な街です。
私は9年ほど住みましたが、文化的な刺激に溢れ、音楽家にとっても、絶えずインスピレーションが得られる、とても恵まれた環境と言えます。
オペラハウスが3つもあり、有名なベルリンフィルを始め、一流の音楽が、日常的にお手頃価格で聴けるのです。
私も特に学生時代は、無料公開されるベルリンフィルのゲネラル･プローべ（本番前のリハーサル）を始め、本当にしょっちゅう通っていたものです。
一方、郊外に出ると、湖や森、自然に溢れ、私が最後の2年間住んだ、ヴァンゼー湖(Wannsee)の付近では、リスやら、イノシシや鹿にも、お目に掛かりました！

最近新しく出来た、ベルリン中央駅です。ガラス張りの開放的な建築です

私が最後に住んだＷａｎｎｓｅｅ湖からは、自転車でもすぐに行ける距離にあり、何度か、訪れました。サン･スーシー宮殿のある、とても美しい街で、ベルリンよりももっと静かで落ち着いた雰囲気です。夏は観光客で、大変込み合いますが・・・！

私が、ドイツの学生時代の最後に勉強した音大があり、私もベルリンから2年半通った街です。音楽的にも、バッハや、メンデルスゾーン、シューマンにも縁の深い歴史的な街です。昔は、出版業も栄え、文化的にも、ドイツの中心でした。東ドイツの時代を経て、今は、駅も近代的になり、街も美しく整備されています。クリスマスの季節は、クリスマス・マーケットもきれいです。

私のドイツでの留学生活の最後に通った、ライプツィヒ音楽大学の入り口です。

ライプツィヒのオペラハウスです。

私は、デュオを組んでいたヴァイオリニスト（ライプツィヒ音楽大学教授）であるバルディーニ氏との共演のため、2006年と2007年の春、アフリカのナミビアを2週間程、演奏旅行しました。まさか、自分が、アフリカに行くなどとは、思ってもみない事でしたし、色々と不安もありましたが、こんな機会でもなければ、一生行くチャンスはないかもしれないと考え、好奇心も手伝って、同行する決心をしました。ナミビアは昔、ドイツの植民地でしたから、今でも、ドイツとはゆかりのある国です。現地の事情に詳しい知人が、同行するという条件で、旅の計画を進めました。ユーモアのある（ありすぎる？）バルディーニ氏には冗談混じりに、「万が一、ライオンに襲われるような、緊急事態には、直美をおとりに、僕達は逃げるから、それは覚悟しておいて！」とか、行く前からさんざん、薄情な（？）ことを言われつつ、どうなることやら・・・と思っていましたが、本当に私にとって、人生観が変わってしまうほど、強く心に残る、貴重な体験となりました。ここでは、その珍道中の一部を、書いてみたいと思います。

でも、すごく美しい身体をした動物でした。

ドイツ人学校でのコンサート前。皆さん、とても静かに、一生懸命聴いてくださりました。
2回目のツアーでは、私は、デュオでのピアノ演奏以外に、バッハの2台のヴァイオリンのための協奏曲で、オーケストラと、初めてのチェンバロでのデビューもしました！とても楽しい経験でした。

貧しい黒人の子供達のための幼稚園を訪ねました。貧しくても、子供達は好奇心いっぱい、一緒に遊ぼう！と手を繋いできたり、抱きついてきたり、彼らにとっては珍しいアジア人である私の顔を、まじまじと観察されたり、そのキラキラした瞳を見たら、本当に、心が痛かった・・。なかなか離れてくれなくて、帰るときには、大泣きされて、大変でした。コンサートの収益金の中から、幼稚園の運営費として、寄付することにしました。私達にとっては、高額ではなくても、それによって、子供達の将来が大きく変わってくるのです・・。バルディー二氏は、ドイツに帰国してからも、寄付金を募り、定期的に施設を援助し、そこには、将来、病院施設も兼ね備えた、子供達のための施設が、建設予定です。

海岸から少し離れると、この様な砂丘が一面に広がっています。

動物の水飲み場で、象やライオンが来ないかな・・と待っていましたが、この日は現われませんでした。夕方からは、蚊が多く、マラリア感染の危険のため、長袖長ズボン、完全防備で、全身に虫除けスプレーをつけていました。

象を発見！

キリンが突如出現！

地形が、独特の形をしています。地層がはっきりと見て取れます。アフリカ大陸と、アメリカ大陸は、昔、地続きだったとのことで、こういった地形は、アメリカにも見られるとの事です。

昔の人が残した、絵模様です。多くの動物の姿が描かれています。

ベルギーの首都、ヨーロッパ・ＥＵの中心となる街です。このときは、ポーランド大使館で、リサイタルをしました。一つの小さな国なのに、フランス語と、フラマン語の地域に分かれ、政府も2つあると言う、不思議な国です。でも、やはり、ドイツより、食文化が豊かで、食事が美味しいし、色々な美しい場所があります。

1999年のコンクールの受賞者コンサートと2007年に現代曲初演やアンサンブルでのコンサートのため、ニューヨークには今まで、2回程滞在しました。ニューヨークは本当に、都会の喧騒、エネルギーと可能性の溢れる国際都市と感じます。その刺激的な生活は非常に魅力的でありますが、住むとなると、やはりヨーロッパの方が落ち着いて過ごせるので、マイペースの私には、留学先としては、ヨーロッパが合っていたのかもしれません。

船に乗り、海へ出ました。

ニューヨークのシンボル、自由の女神像をバックに

クリスマスも近くなっていたので、街中イルミネーションで賑やかでした。

アラブの国、カタールに新しいオーケストラを編成するために、ヨーロッパ各国でオーディションが行われ、そのプロジェクトのピアニストとして、3週間弱ヨーロッパをツアーしました。ドイツはベルリンから始まり、ドルトムント、ケルン、ミュンヘン、スイスのチューリヒ、ウィーン、マドリッド、そして、ロンドンへ渡りました。自由時間には、観光したり、各地の名物料理を食べたり（油っぽいものが多くて、このツアーのお陰で、3キロ以上太りました・・。）とても楽しい旅となりました。

ブレッツェルという、茶色く軽くスモークしたような名物のパンがあちらこちらで、売られていました。

シャガールによる、教会のステンドグラス。

ホテルの部屋からの眺めも、美しかった！

博物館には、当時使用された、豪華な日常品が展示されていました。

ベルリンから、ウィーンに移っていた、友達に再会しました。

お肉屋さんには、こんな肉の塊が、ズラ～っと並んでいます！

王宮の博物館

フォートナム･アンド･メイスンのお店。ショッピングのお客さんで大変な混雑でした。